多摩北部医療センター「たまほく」

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リウマチ膠原病科

連携担当医 大島 美穂

診療内容・特色

 北多摩北部には6000人程度の関節リウマチを含む膠原病の患者さんが在住していると推定されます。当科の使命は、本医療圏やその周辺(東村山市、清瀬市、東久留米市、小平市、東大和市、西東京市、所沢市、新座市、朝霞市や西武池袋線、西武新宿線、JR武蔵野線沿線など)にお住まいの膠原病患者さんが、地元で最新の医療を受けられるように医療体制を構築することです。

 膠原病は自己免疫疾患とも言われ、体の免疫系システムの異常により自分の体の一部を障害して症状を引き起こす病気です。関節、皮膚、筋肉、腎臓、肺、血液など様々なところに支障を来すことがあります。膠原病には関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、混合性結合織病、皮膚筋炎・多発性筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、血管炎、リウマチ性多発筋痛症などの様々な病気が含まれます。

 当科は2012年に外来が発足し、2015年からは入院病床を持ち、様々な膠原病の患者さんを診療しています。病状に応じ、CTMRI、核医学、エコー、心臓カテーテル、腎生検などの各種検査や、ステロイドや免疫抑制剤による治療、血液透析なども可能です。各診療科が揃っており、合併症への対応も行っています。このように総合的な診療を基盤として成り立っているため、膠原病患者さんにとって医療を受けやすい病院と言えます。入院患者さんには、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリ療法士、専門的口腔ケアチーム、褥瘡チームなど多職種のスタッフがご病状に応じた総合的な医療を行っています。退院時には在宅環境調整看護師、ケースワーカーが退院支援を行い、ご状態に適した地域でのサポートが受けられるようにお手伝いをしています。さらに、医療的に地域全体で膠原病患者さんを支えられるように、お近くのかかりつけの医療機関、リウマチ膠原病専門医のいるクリニック、ならびに多摩総合医療センター、国立病院機構東京病院、結核予防会複十字病院などとの連携を積極的に行っています。

 膠原病を疑う症状や検査値の異常がありましたら、ご相談下さい。その際、可能な限りかかりつけの医療機関からの紹介状をお持ち下さい。やむを得ず紹介状をお持ちでない場合は、どのような症状がいつから始まったか、既往症などの詳しい情報とお薬手帳を予めご準備下さい。なお線維筋痛症の診療は行っておりませんので、可能性があるもしくは診断された場合には他の医療機関をご紹介します。

 膠原病の中で最も多いのが関節リウマチです。診察をして病状を把握し、血液検査、レントゲンを行い、必要性があれば関節エコーやMRIを行うことがあります。メトトレキサートなどの抗リウマチ薬や、近年登場した生物学的製剤により、関節の状態はかつてより良くなる方が増え、社会生活や趣味などでの制約が減ってきています。一方で日常生活の動作に支障が出て、ペットボトルのふたを開けられない、お箸を持てない、洗髪ができない、歩けない、などでお困りの方も少なからずいます。病状に応じた上記の最新の生物学的製剤7剤を含めた薬物治療に加え、生活者である患者さんの視点に立ち、より快適な日常生活が送れるようリハビリテーションを含めた全般的な医療(機能障害への対応=リウマチ生活向上入院)もご提案できるのが、当科のリウマチ診療の大きな特徴です。

 「リウマチ生活向上入院」では、関節リウマチの方が今よりも生活の質を向上できることを目標に、日常生活の動作がより円滑にできる方法を患者さんの状態に応じて専門的立場からアドバイスを行います。家で長く続けられるリハビリテーションの方法を学んだり、気づかないうちに関節に負担がかかってしまう動作の癖を直したり、関節リウマチの病気の知識を深めます。さらに必要な方に装具・自助具のご案内、栄養指導、口腔ケア、フットケア、心理ケアなどを行っています。ご家族も一緒に見学して学んでいただくことができます。退院時にリハビリ手帳をお渡ししますので、地元のリハビリ施設と情報の共有ができます。効果の面から基本的に12日間の入院としていますが、医師と相談の上、ご病状や諸事情により5日から12日以上も可能です。さらに、退院3か月後にリハビリテーション科を受診していただき、リハビリの進み具合や効果を確認します。東京都内にある当院は、新宿や池袋から約1時間のアクセスで、豊かな緑に囲まれた場所に立地しており、都心の大学病院や他地域の病院に通院されていても対応可能です。

20165月から「リウマチ膠原病フットケア外来」を開設しました。関節リウマチを含めた膠原病の患者さんは、足のゆびの変形、巻き爪、タコ、ウオノメ、水虫、血流障害による冷えなどのトラブルが多く、生活にも支障が出ているケースが散見されます。当院ではフットケア専門の看護師が足浴・保湿の指導や、傷の保護、爪切り・タコなどの処置、血流測定、靴の相談を行っています。これらを行うことにより、少しでも毎日を快適に過ごせるようにアドバイス致します。

「リウマチ生活向上入院」「リウマチ膠原病フットケア外来」はいずれも、紹介状をご持参いただき、まずは当科の通常の外来を受診した上での予約となります。

当科の外来に通院中の患者さんの疾患構成は以下の通りです。

2016年度(2016年4月から2017年3月) 合計752人(実人数)

内訳:
(1) 膠原病  476
・膠原病(関節リウマチを除く)213
シェーグレン症候群 (膠原病全体の)12%
リウマチ性多発筋痛症 7%
強皮症 7%
全身性エリテマトーデス 6%
血管炎症候群(ANCA関連血管炎、巨細胞性動脈炎、IgA血管炎など) 3%
その他(皮膚筋炎/多発性筋炎 、混合性結合織病 、抗リン脂質抗体症候群、脊椎関節炎(乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、SAPHO症候群など)、IgG4関連疾患、ベーチェット病、成人スティル病、サルコイドーシス、好酸球性浮腫、RS3PE症候群など)

・関節リウマチ  261
2016年度の生物学的製剤の使用状況 合計68
TNF阻害剤(エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア、レミケード・インフリキシマブ)35
オレンシア 19
アクテムラ 14

(2) 膠原病疑いもしくは精密検査中 179

当科では様々な膠原病に対応しておりますので、ご相談下さい。
なお当院は臨床研修指定病院であり、かつ日本リウマチ学会認定教育施設です。次世代のリウマチ・膠原病患者さんの診療を担うべく若手医師の教育を積極的に行っております。多摩総合医療センターとのたすき掛け研修や呼吸器専門病院での研修も可能です。

 

医長
大島 美穂おおしま みほ
名古屋市立大学 平成11年卒業
専門分野 関節リウマチ、膠原病、自己免疫性疾患、ステロイド性骨粗鬆症
資格 日本リウマチ学会専門医・評議員、日本内科学会認定内科医・指導医
難病指定医、日本医師会産業認定医、身体障害者福祉法第15条指定医、
日本骨粗鬆症学会認定医、医学博士
医長
永井 佳樹ながい よしき
高知大学 平成17年卒業
専門分野 関節リウマチ、膠原病、自己免疫性疾患
資格 日本リウマチ学会専門医、日本内科学会認定内科医、
日本リウマチ学会認定ソノグラファー、身体障害者福祉法第15条指定医
医員
杉原 誠人すぎはら まこと
筑波大学 平成13年卒業
専門分野 関節リウマチ、膠原病・自己免疫疾患一般
資格 日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員、日本内科学会総合内科専門医、
小児慢性特定疾病指定医、医学博士
非常勤医員
立花 秀介 たちばな ひでゆき
横浜市立大学 平成17年卒業
専門分野 関節リウマチ、膠原病、自己免疫性疾患
資格 日本リウマチ学会専門医、日本内科学会認定内科医
非常勤医員
上月 友寛 こうづき ともひろ
京都大学 平成24年卒業
専門分野 関節リウマチ・膠原病
資格 日本内科学会認定内科医
非常勤医員
奈佐 悠太郎なさ ゆうたろう
関西医科大学 平成25年卒業
専門分野 関節リウマチ、膠原病、自己免疫性疾患
資格 日本内科学会認定内科医
非常勤医員
髙橋 悠たかはし はるか
東京大学 平成26年卒業
専門分野 関節リウマチ、膠原病、自己免疫性疾患