脳神経外科
特色・専門領域
特色
1. 脳卒中急性期医療(脳梗塞急性期rt-PA静注療法を含む)
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に対する急性期医療に積極的に取り組んでいます。
特に超急性期脳梗塞に対しては、他部門と協力のもとに血栓溶解療法を行っています。
2. 高齢者脳神経外科(特発性正常圧水頭症治療など)
高齢者では認知症、歩行障害、活動性低下など漠然とした症状で発症する場合少なくありません。
当科では特発性正常圧水頭症の診療を軸にして高齢者特有の疾患に対して重点を置いています
専門領域
脳神経外科で対象となる疾患は、脳血管障害(脳卒中)、脳腫瘍、頭部外傷、水頭症および先天性疾患、脊椎疾患などです。他に頭痛一般、一部のてんかんも治療対象となります。脳血管障害は更に脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に分類されいずれも急性期治療が必須です。脳腫瘍は原発性、転移性に分類されますが、近年個別の腫瘍ごとに最適な治療法が確立されつつあります。頭部外傷では重症例は特段の治療体制が必要です。当科で全てを網羅できる訳ではありませんが、各症例に応じて最善の治療を目指しています。高度専門医療を要する場合は遅滞のない連携医療を行っています。
■特発性正常圧水頭症とは
脳の病気の一つで60才以降に発病します。初めは歩きにくいと感じるだけですが、最後には寝たきりになります。失禁、認知症も同時に進行します。手術で治る病気ですが、発見が難しいため多くの方が治療を受ける機会を逃しています。病気の詳細は別項にあります。
病気の発見には歩行障害に注目することが大切です。当院で治療を受けた初期から末期までの7名の方々の手術前後の下記動画を参考にして下さい。
(経過は個人によって大きな差があります。プライバシー保護のため情報は一部修飾しています。)
Legend
These video records present gait disturbance in idiopathic normal pressure hydrocephalus and its improvement after shunt operation, from mild impairment (Patient A) to severe (Patient G) listed in alphabetical order. The left image is preoperative and the right, postoperative.
Aさん(男性70代前半、発病から半年)
「歩行中に足が重くなって長い距離が歩けない」、「ふらついて転びそうになる」という症状でした。
一見正常に見えますが、本人しか異常に気付かない極めて初期の状態です。
歩行障害は手術で治りました。
術後、歩隔(ほかく、両足の幅。開くほど安定するがガニ股になる。)が小さくなっていることに注意して下さい。失禁も消失しました。
Bさん(男性80代前半、発病から6年)
「転びそうで外出が辛い」、「歩くのが遅くなった」という症状でした。
術後は歩行が安定し、早くなり歩隔が縮小しています。手術前後を比較すれば歩行が良くなったことが分かりますが、80代であるため、術前の歩行が異常であるとは気付かれませんでした。
手術で失禁も治りました。
Cさん(男性70代前半、発病から3年)
「ふらつく」、「つまずきやすい」、「外出できない」という症状でした。
術前は、すり足歩行(足が床から挙がらない、僅かな段差でつまずいて転ぶ)でした。
この頃から、家族も異常に気付くようになりますが、年のせいとして見逃されることが少なくありません。術後治癒しています。
Dさん(男性70代前半、発病から4年)
「何度も転ぶ」、「物につかまらないと怖くて歩けない」という症状でした。
術前は、すり足歩行と小刻み歩行(非常に小さい歩幅)がありましたが、術後はつかまらなくても歩けるようになりました。
Eさん(女性80代前半、発病から7年)
人につかまれば歩けますが、転倒の恐怖から物につかまろうとして手を伸ばします。しかし前傾姿勢となり危険です。術後は介助なしで歩けるようになりました。
Fさん(女性70代後半、発病から5年)
術前は支えても立てませんでしたが、術後は手を引けば歩けるようになりました
Gさん(女性80代前半、発病から4年)
術前は完全に寝たきりで食事、会話もできませんでしたが、術後は箸で食事がとれるようになり、不安定ながら自分で歩き、言葉も戻りました。
診療内容
専門領域で示した疾患を症状別に表現しました。このような場合に受診して下さい。
(1)頭痛
頭痛の始まり(急激か緩徐か)と頭痛の程度で大まかな目安が立てられます。
頭痛の始まりが特定できるほど急激で(例えば10時半から頭が痛む)しかも、今まで経験したことのないような強い頭痛である場合は、くも膜下出血が疑われ緊急検査が必要です。
一方、頭痛が何時とはなく始まり、次第に強くなったり弱くなったりする場合は通常緊急性はありません。しかし、嘔気、嘔吐を併発すると脳腫瘍の可能性もあります。
実際には大部分の頭痛は無害なものです。
たとえ病気が見つかっても、早期治療によって良好な結果が得られる場合が多いので安心して検査を受けて下さい。
(2)麻痺、呂律障害、視力障害
突然の症状は脳卒中である可能性が非常に高いです。手が挙がらない、歩けないなど明らかな麻痺と、物を落としやすい、箸がうまく使えない、うまく喋れない、物が二重に見えるなど本人しか気づかない軽い麻痺があります。いずれも病気の重大性は変わりません。症状が一過性(多くは数分から15分程度)で元に戻ることがありますが一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれ危険な前兆です。
TIAでは、片目にモヤがかかったような短時間の視力障害を起こすこともあります。
(3)認知症(物忘れ)、歩行障害(歩きが遅い、転びやすい)、失禁、意欲低下
これらの症状は高齢者ではありふれたものです。高齢だからと諦めがちですが、治療で改善する場合も少なくありません。このような患者さんに対して鑑別診断を行い、手術が必要な場合(特発性正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍など)と、更に専門的治療が必要な場合(アルツハイマー型認知症、パーキンソン病など)に分けて最善の治療を行っています。
特発性正常圧水頭症については「特色・専門領域」の項を参照して下さい。
スタッフ紹介
| 役職 | 氏名 | 卒業年度 | 専門分野 | 資格 |
|---|---|---|---|---|
| 院長 | 青木 信彦 (あおき のぶひこ) |
昭和45年 | 脳神経外科一般 小児脳神経外科 |
日本脳神経外科学会専門医 |
| 医長 | 岡田 隆晴 (おかだ たかはる) |
昭和55年 | 高齢者脳神経外科 脳血管障害 |
日本脳神経外科学会専門医 |
| 医長 | 金子 美紀子 (かねこ みきこ) |
昭和52年 | 脳神経外科 脳血管障害 |
日本脳神経外科学会専門医 |








