新しい放射線照射療法(高精度放射線治療)
放射線治療は、手術・化学療法とともにがん治療の三本柱の一つとして、重要な役割を担っています。
放射線治療は、外科手術と同じ局所治療ですが、腫瘍の臓器の形態や機能を残した治療もできることや放射線治療関連機器の開発や照射方法の進歩により精度の高い放射線治療が可能となり、放射線治療が見直されています。
米国では、がん患者さんの65%が放射線治療を受けていますが、日本では現在25%程度です。需要が高まれば日本でも10年後にはその割合が50%程に増すだろうと言われています。当センターでは、2010年9月に放射線治療機器が更新されましたので、新しい放射線治療(高精度放射線治療)をご紹介いたします。
画像誘導放射線治療(Image-guided radiotherapy; IGRT)
放射線治療では、放射線を正確に腫瘍へ照射することが非常に重要で、従来から身体にマークを描いてそのマークを基準として放射線を照射しています。
IGRTでは、主に照射直前の患者さんの画像情報(X線やCT画像)を利用して、骨やマーカー等の位置から正確な照射ができるかを確認し、その画像情報から位置のずれを自動に求めて寝台位置を修正して行う治療です。これにより、正確な位置補正が行え、短時間で精度の高い治療が行えます。

定位放射線治療
定位放射線治療は、高い精度(頭部:誤差1mm以下)で、病変の形状に一致させて放射線を集中して照射する治療方法です。
治療は一回照射もしくは分割照射で行います。腫瘍には十分な線量を、また一方正常組織への線量を低減するため、X線を多方向からあるいは移動させながら照射します

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiotherapy, IMRT)
強度変調放射線治療は、コンピュータの助けを借りて目標とした部位(腫瘍部分のみなど)に放射線を集中照射して治す画期的な照射技術です。
一般的に腫瘍への放射線量を増やすと腫瘍を高率に制御できますが、周囲の正常組織や危険臓器にも同じ線量が照射され、合併症を抑えることが困難でした。IMRTは、各ビーム内の放射線の強度を変え、合併症を軽減しながら根治性を高めるといった最適な放射線治療が可能となりました。
現在、当センターでは脳や体幹部への定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)の早期開始に向けて準備中です。


