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特発性正常圧水頭症

歩行動画は脳神経外科紹介ページにあります

特発性正常圧水頭症とは

60才以降に発病する原因不明の脳の病気です。
主症状は、歩行障害、失禁、認知症です。歩きにくいという自覚症状から始まり数年から十年程度で進行します。最終的には寝たきり、完全失禁、高度認知症になります。

1)他の病気との違い
同じような症状は脳血管障害(脳梗塞など)の後遺症やアルツハイマー病でも見られますが、これらは簡単に治せる病気ではありません。
それに対して、特発性正常圧水頭症は、程度の差はありますが手術で治すことができます。寝たきりの方が歩けるようになる場合もあります。

2)何が問題か
症状だけでは他の病気と区別がつきません。
ありふれた症状なので「年寄りだから」と諦められ、病気であることに気付かれません。そのため治療の機会を失い、生活し辛くなることが問題です。歩行障害が進行して転倒し骨折する場合も少なくありません。

3)治療方法は
脳には脳室とよばれる髄液を産生するスペースがあり、髄液はここを起点として循環しています。
何らかの理由で循環が障害されると脳室内髄液が停滞し水頭症になります。過剰な髄液を排出させるために、手術で細いチューブを埋め込みバイパス(シャント)を作ります。先端を脳室に挿入し、後端を腹部へ通す方法を脳室腹腔シャント術、先端を腰部に挿入する方法を腰椎腹腔シャント術と呼びます。どちらもほぼ安全といえる手術です。
特発性正常圧水頭症では、手術よりも病気を見つけることの方が重要と言われています。

4)病気を見つけるには何に注意したらよいか
症状だけでは他の病気と区別できませんが、敢えて言うなら歩行障害に特徴があります。
当初は、歩きにくい、ふらつく、歩行中に足が重くなり長い距離が歩けない、という自覚症状だけです。
次第に、小刻み歩行、開脚歩行、つかまり歩行、手引き歩行となり最後は立つこともできなくなります。
失禁の初期症状は尿が近いという自覚症状で、尿意を感じたらすぐに排尿が始まる、我慢できない、というものです。
次第に失敗の頻度が増し、最後は排泄に無頓着になります。
認知症はある程度病気が進行してから現れます。
物忘れする、何度も同じ事を尋ねる、ぼんやりしている、元気がない、食事が遅い、話さなくなった、などが特徴です。
症状は数日から数週で変動します。つまり、日によって症状が重かったり軽かったりします。
高齢者でこのような症状がある場合は特発性正常圧水頭症を疑って検査する必要があります。
歩行障害については当科専門領域に掲載した動画を参照してください。

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